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【旧石器時代3】旧石器文化の特徴をわかりやすく

こんにちは。本宮貴大です。
この度は記事を閲覧していただき、本当にありがとうございます。

地質学での更新世は、考古学では旧石器時代と呼びます。
旧石器時代は、日本列島がまだユーラシア大陸と陸続きであったため、大陸からマンモスゾウ、ナウマンゾウ、ヘラジカといった大型動物が渡ってきており、それらを追って大陸から列島に人類が移住してきました。
この時代の人々は、土器を使用しておらず、金属器も知らず、石器を道具としていました。
それも、石を打ち砕いただけの打製石器のみを用いており、石器を磨いて切れ味の高い磨製石器の使用は完新世(考古学でいう新石器時代)になってからのことです。

かつて旧石器時代の日本列島には人類は住んでいなかったと考えられてきました。しかし、1949(昭和24)年、相沢忠洋氏が群馬県岩宿遺跡を発見したことで、その常識は覆されました。相沢氏は旧石器時代に降り積もった火山灰でできた地層(関東ローム層)から石を打ち砕いた打製石器を発見し、これによって日本にも旧石器時代があったということがわかったのです。

旧石器時代の人々は、打製石器を用途に応じて使っていました。具体的には、打撃を与える石斧、肉や植物を切断するためのナイフ形石器、狩猟のための尖頭器をつけた石槍、そして組み合わせて使う細石器などが挙げられます。
細石器とは、三センチほどの小石器(細石刃)を木や骨などの溝にはめこんで用いる組み合わせ式の石器のことであり、カミソリの役目を果たしていました。
この細石器文化は、中国東北部からシベリア(ロシア)にかけて発達した文化で、北方から日本列島にもたらされたと考えられています。
このように旧石器時代の人々は、打製石器をたくみに用いて狩猟・漁労・食物の採取によって生活していました。
このため、石器製作のための作業場や獲物の解体場などの遺跡も見つかっています。

しかし、この時代には、弓矢の使用はまだなく、人々は石槍などを用いた狩をおこなっていたため、獲物の獲得には多くの危険が伴っていました。

旧石器時代の人々は、定住生活を営んでいた形跡はなく、一定のエリアを10人前後の小グループを作って移動していたと考えられている。住居には簡易な竪穴住居のほか、自然の洞穴や岩陰なども利用されていました。

さて、今回の記事のまとめですが、群馬県岩宿遺跡の発掘によって日本にも、かつて旧石器時代が存在していたことがわかりました。旧石器時代の人々は、打製石器を巧みに使い、狩猟・漁労・植物の採取に役立てていました。
狩猟は大型動物を相手にしており、なおかつ武器も弓矢ではなく、石槍などを用いての狩りだったので、狩猟には多くの危険が伴っていました。
旧石器時代は定住生活ではなく、10人前後の小グループで移住生活をしていました。

次回は、旧石器時代縄文時代の違いについて取り扱います。
タイトルは「【どう違う?】旧石器文化縄文文化」です。
お楽しみに。
以上。
参考文献
総図解 よくわかる 古代史  瀧音能之=著
アナウンサーが読む 聞く教科書 詳説山川日本史
聞くだけで一気にわかる日本史  馬屋原吉博=著