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【共産主義とは?】社会主義と共産主義はどう違うのか

 こんにちは。本宮貴大です。

 この度は記事を閲覧してくださり、本当にありがとうございます。

 今回のテーマは「【どう違う?】社会主義共産主義」というお話です。

  社会主義共産主義はどう違うのでしょうか。

社会主義共産主義はどちらも資本主義を否定した政治思想です。資本主義とは、その名通り、資本家にとって都合の良い政治や社会のことです。つまり「資本家の国」です。しかし、この資本主義も完璧なしくみではなく、労働者の搾取などの問題点が指摘されました。その問題点を解消するべく現れた政治思想が社会主義共産主義でした。つまり、これらの思想は「労働者の国」を目指した政治や社会のことになります。

 資本主義の問題点を指摘した資本論の著者であるカールマルクスユダヤ系イギリス人)は社会主義共産主義を明確には区別していません。両者はどのように違うのでしょうか。

以下の表にまとめてみました。

社会主義 共産主義
労働者の給料を平等に 労働者の生活水準も平等に
生産手段は国家が保有 国家など存在しない
科学的、実例あり 空想的、ユートピア社会

 それでは解説に入ります。

 社会主義共産主義とは、市場経済を国家によってコントロールする計画経済が思想の中心になっています。もう少し分かりやすくいうと、土地、建物、工場、機械設備などの商品・サービス生み出す生産手段(手段)を全て国が保有・管理・運営をしましょうということです。

 では社会主義共産主義はどうちがうのでしょうか。

 例えばモノを製造する工場には、社長(資本家)がおらず、労働者のみで皆が平等な立場で仕事をします。

 社会主義では給料は労働者全員に均等に配られます。しかし、それをどう使うかは各人に任されます。

 一方、共産主義では給料の均等はもちろんのこと、その使い道も平等にするべきだという考えです。

 社会主義では車を持っている人もいれば、持っていない人もいます。パソコンを持っている人もいれば、持っていない人もいます。高級な家に住んでいる人もいれば、貧相な家に住んでいる人もいます。

 社会主義では給料こそ均等ですが、その使い道による生活水準の違いはやむを得ないとしています。しかし、共産主義ではこのような生活水準の不平等もなくすことを目指しています。

 確かに給料の使い道は個人の趣味や価値観、生き方に左右される部分がありますが、例えば、子育てをしている母親が養育費にお金がかかり、車やパソコンが買えず、不便な生活になってしまうことがあると思います。

 そのような何らかの理由でモノやサービスを購入出来ないという入手機会もなくしていきましょうということです。つまり、共産主義の社会では、人々は協同組合のような生活共同体の中に組み込まれていれ、車やパソコン、家などを共有する理想国家なのです。

 このように共産主義とは貧富の差はもちろんのこと、生活水準も均等にしていくことを目指している政治思想なのです。

 

 また、社会主義では、生産手段は国家が保有るという経済を掌握する権限はすべて国家が持っているので、国家に莫大な権力が集まります。国家と言っても、所詮は人間です。感情や欲というものがあります。感情を持った人間が国をコントロールすると、役人は権力を濫用し、賄賂によって一部の人だけを優遇したり、自分達の退職金を多くするよう仕向けたり汚職事件は絶えず起きることでしょう。

 そこで共産主義では国家や政府など必要ないという考えになっています。そう、共産主義とは、別名・無政府主義(アナーキズム)と呼ばれています。

 

 え?政府がなくなったら、誰が国を統制・管理するのかって?

 確かにそう思うでしょう。人々の統制機関がなくなれば、人々は好き放題に行動し、犯罪や汚職が横行する無法地帯になってしまいます。

 

 ですが、共産主義の社会では、車やパソコン、家などを共有し、人々が不自由のない生活を送っているため、不平・不満・愚痴・泣き言がなくなり、暴動や社会秩序の乱れは起きない(だろう)とする考えをとっています。つまり、世の中の平和は、すべて人々の良心に委ねられているのです。

 

 まぁ・・・このように共産主義は一見、筋は通っていますが・・・・ちょっと過激で危険な思想なのは、皆さんも感じるのではないでしょうか。

 共産主義バクーニンプルードンによって唱えられましたが、あのマルクスでさえ、共産主義は「時期尚早」としました。つまり、実現には相当な時間と労力がいる遠い未来の世界になるとのことです。社会主義国家は誕生しても、共産主義国家は誕生しませんでした。つまり、共産主義とはユートピア社会であり、大変現実離れしています。

 もともと社会主義には空想的社会主義科学的社会主義の2種類があり、マルクス以前は空想的社会主義が唱えられていました。この空想的社会主義こそが共産主義の原型になっています。空想的社会主義はサン=シモン、フーリエ、ロバート・オーウェンなどが唱えました。

 フーリエは万人が万人とセックス可能な共同体を目指すという狂人的な考えをしています。確かにイケメンか不細工かによって異性との交流機会に差が出ることは容易に予想がつきます。このような不公平もなくしましょうということです。

 しかし、このような社会はあくまで理想であり、実現は不可能です。

 一方、社会主義は現実的で、実例があります。それが1922年に誕生したソビエト社会主義共和国連邦(以下ソ連)です。ソ連は、レーニンという指導者がロシア革命を起こし、誕生した国家です。

 ということで、次回はロシア革命について話をしていきたいとおもいます。

以上

最後まで読んで頂き、ありがとうございます。

本宮貴大でした。それでは。

 

参考文献

教科書よりやさしい日本史            石川晶康=著 旺文社

日本人のための世界史入門            小谷野敦=著 新潮社