日本史はストーリーで覚える!

日本史を好きになるブログ

やる気の種類を知る

 こんにちは。本宮 貴大(もとみや たかひろ)です。

この度は、記事を閲覧してくださって本当にありがとうございます。

今回のテーマは「やる気の種類を知る」というお話です。

是非、最後までお読みくださいますようよろしくお願いします。

人のやる気は外発的動機と内発的動機がありました。これらは階層的で決して一元的なものではありません。「学習内容の重要性」と「学習の功利性」の2つの次元からやる気の種類を紹介します。

 

 

 

 

 

 

充実志向

学習自体が楽し  い 

訓練志向

知力を鍛えるため 

実用志向

仕事や生活に生かす

関係志向

他者につられて

自尊志向

プライドや承認欲求

 

報酬志向

報酬を得る手段

 

   小                                  大
             学習の功利性

 

 

 教育心理学者の市川伸一氏によると、外発的動機と内発的動機は一元的なものではなく、複雑なモチベーションが入り混ざっており、「学習内容の重要性」と「学習の功利性」の2つの次元からなる6つのモチベーションが展開出来るという。(図) また彼は人はいきなりは内発的にはなりにくく、はじめは賞罰による外発によって取り組んでいくうちに、徐々に内発にシフトしていくと述べている。

 

 まず、上の段から見ていきましょう。

 「充実志向」というのは、学習すること自体が楽しいし、やっていると充実感があるというものです。本人の心の内側から湧き上がってくる感情によって動いているのです。

 しかし、この充実志向とは自分に将来「得」があるからやるのではなく、純粋にその行為自体に楽しさを見出しているので、「内容重視」になります。つまり「知りたい」という知識欲によって動いているのです。このように損得勘定抜きに楽しむ勉強は内発的動機の典型と言えます。

 

 「訓練志向」は知力を鍛えるためですから、やると頭が良くなるという確信が持てないといけません。勉強する意義を明確にするのです。充実志向に比べて内容はもちろん功利性も重視されます。しつこいようですが、勉強は単なる単純作業ですので、それ自体にやる気を見出すことは出来ません。何らかの意義を見出さないといけません。その意義の1つこそ、この訓練志向です。

 例えば、数学の証明問題を通じて、論理的で筋道のたった文章を書く能力を向上させることが出来るなど。苦痛である勉強でも、そこから何を学び、どのように成長していこうかと意義を見出すなど、自分にとって価値のある作業だと思えるようになることこそ、やる気がわき出てくるのです。こちらも内発性の高いやる気だと言えるでしょう。

 

 「実用志向」はこの勉強は将来の仕事や生活に役に立つという考えで、やれば仕事や生活面で豊かになるような内容でなくてはいけません。したがって、内容重視になります。さらに、やらないと困るのは自分なので功利性も高くなります。大学などの仕事に直結するような勉強をするとき、この実用志向によってやる気が湧いてくるのではないでしょうか。

 

 下の段に行きます。

 「関係志向」ですが、これは「みんながやっているから」とか「先生が好きだから」というふうに他者につられて勉強している状態です。内容や功利性は気にかけていません。何を学ぶかよりも、誰と学ぶかを重視しているのです。人間にはミラーニューロンが備わっています。ミラーニューロンとは無意識に他者を真似てしまうことですが、周囲の人達が勉強に対する意識が高いとその意識はあなたに伝染します。確実に。正直にいうと、勉強なんて楽しくも面白くもないです。そこに「やりがい」なんて見出そうとしてはいけません。それよりも意識の高い勉強コミュニティ(典型例は学習塾)に所属してしまった方が早いです。

 

 次に「自尊志向」ですが、これはプライドや競争心から「人に負けるものか」といったもので、テストで良い点数をとれば、何か優越感に浸ることができるまた、他者から認めてもらおうとする感情によって動くものです。この自尊志向は内容をそれほど重視していませんが、功利性はぐっと高くなります。その一方で人から認められたいとする感情が働くため、「訓練志向」同様に内発性と外発性も中間とすることが出来ます。

 

 ところで、マズロー欲求階段説というものがあります。これは人間の欲求を階層的に示し、モデル化したもので、下位の欲求が満たされることで、段階的に上位の欲求を満たすように人間は動くというものです。この階層の下から4番目に承認欲求というものがあります。この承認欲求は他者から認めてもらいたいと思う欲求のことで、精神的な充足感を得るための欲求だとされています。この説については別記事でご紹介します。

 

 報酬志向は、明らかに外からの物質的な報酬という功利性に意識が向いています。例えば「テストで良い点数を取るとお小遣いを増やしてもらえるから」とか「大学に合格したらバイクを買ってもらえるから」という理由で勉強しているため、学習している内容自体には関心がありません。典型的な外発的動機と言えるでしょう。

 

 このように従来の内発的動機と外発的動機は、より複雑になっており、階層的になっているようです。まず充実志向とは典型的な内発的動機になります。一方、報酬志向は典型的な外発的動機になります。図のように対角線の軸、つまり充実志向から報酬志向に至る対角線の軸が従来の内発的動機と外発的動機ではないかと思われます。

 このように内発と外発は全く逆の対立としてとらえるのではなく、連続した1つのモチベージョンであるととらえることができるのです。

以上

今回も最後まで読んで頂き、本当にありがとうございます。

本宮 貴大でした。それでは。