motomiyatakahiroの日記

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【フランシス・ベーコン】頑張らない生き方の本当の意味とは。

 

 

 こんにちは。本宮貴大です。

 今回のテーマは「【フランシス・ベーコン】頑張らない生き方の本当の意味とは。」というお話です。

この記事を最後まで読んでいただくと、フランシス・ベーコンの思想がよくわかりますので、是非最後まで読んで頂きますよう、よろしくお願いします。

イギリスの政治家であるフランシス・ベーコンは、人間には4つの偏見(イドラ)が存在すると指摘しています。「知は力なり」という言葉を残したベーコンは、自然を知るためには人間が持っている4つの偏見を取り払う必要があるとしました。

 

  頑張らない生き方を間違えて解釈している人が多いようです。

「努力しなくていい」、「頑張らなくてよい」、「昨今は求めない生き方が美徳」などの考えが蔓延しています。

 脳科学者の中野信子氏は『努力不要論』というタイトルの本を出版されましたが、これを言葉の通り解釈してしまうと、

「ああ~努力なんてしなくていいのか。」

「ほどほどに頑張っていれば、成功出来るのか。」

「昨今の不況では夢なんて叶わないし、努力するだけムダだもんね。」

などの解釈をしてしまいます。

 

 無論、ほどほどの努力では、成功など出来ません。

 頑張らない生き方の正しい意味とは、努力がいらないのではなく、正しい努力をしましょうと説いていますが、

 正しい努力とは、「自分の才能がどれかをいち早く発見し、その才能を徹底的に磨いていくこと」です。例えば、私は野球の才能が全くありません。そんな私がプロ野球選手を目指して努力をすることはムダな努力です。私より野球センスのある人なんか日本全国に何万人といることでしょう。私は「野球」というフィールドではライバル達とまとも戦えないのです。これは間違えた努力です。

  ですが、文章を書いたり、アイディアを考えたり、幅広く情報を集めたりすることは好きだし、得意なので、そのフィールドで才能を磨いていこうとすることです。自分が出来ない事は、出来る人達に任せて、自分は出来ることに集中する。このような正しい努力をしなさいということです。

 

 好きなこと、得意なことなので、何時間も継続して取り組むことが出来ます。

あれ?もう3時間経ってたの?30分くらいしか経ってないと思った。」

 時間を忘れて熱中しているため、ハタから見ていると、すごく努力しているように見えるけれども、本人は努力している気がしないのです。

「好きなことや得意なことを仕事に出来ている人なんて少数派ではないか。」

と思うかも知れません。

  しかし、それが可能になっているのが、現代の私達の世界なのです。現在は、好きなことを仕事に出来る時代なのです。

『努力不要論』を間違えて解釈してはいけません。

 

 このように人間は先入観、偏見、思い込みによって言葉を解釈してしまう傾向があります。言葉って充てになるようで実は充てにならないのです。

 言葉で伝えたからといって、相手に100%正しく伝わったかといえば、必ずしもそうではないのです。必ずその人の偏見というフィルターを通して解釈されるため、間違ってとられることもあるのです。

 

 イギリスの政治家であり、法学者であり、科学者でもあったフランシス・ベーコンは人間には大きく4つの偏見(イドラ)が存在することを指摘し、上記のような「言葉の解釈による偏見」もその1つになります。

 

 16世紀後半~17世紀前半、日本では織田信長豊臣秀吉徳川家康という強力な支配者が活躍していた頃、西洋ではルネサンス宗教改革を経て、キリスト教会の権威が落ち、人々はそれまでの学問や知識に疑問を持ち始めていました。

 そんな人々の要望に応えるようにイギリスの官僚の子として生まれたベーコンは、新しい学問の在り方を探求しました。

 ベーコンは12歳で名門・ケンブリッジ大学飛び級するくらいの秀才で、23歳で国会議員になります。ところが、1621年に収賄の罪に問われ、全ての地位を追われてしまいます。その後、ベーコンは研究や執筆活動に専念し、中世以来続く教えや常識を批判し、実験や観察を通じて結論を導き出す学問のあり方を確立させようとしました。このようなあり方を経験論と言います。

 

 そんなベーコンは「知は力なり」という言葉を残しています。これは自然を研究すれば、人類に恩恵をもたらすことが出来るという意味で、自然を支配することで私達の生活はより便利に、より快適に、より平和になっていくという考えです。

 つまり、「これからの時代は、自然を知ることが学問のあるべき姿だ。その自然を加工し、利用すれば、人類の力となるような知識が手に入るであろう」ということです。現在ではこれが行き過ぎて、オゾン層破壊や森林伐採、砂漠化などの環境破壊が起きているのですが、当時は画期的な思想だったのです。

 では、そんな自然を知るためにはどうすれば良いのでしょうか。

  ベーコンは次の3ステップを踏む必要があるとしています。

1、人間の内面に潜む先入観や偏見を取り払い、自然のありのままを観察する。

2、実験や観察を行い、データを集める。

3、得られたデータを帰納法によって考察し、規則性や法則性を導き出す。

 それぞれ詳しく見ていきます。

1、人間の内面に潜む先入観や偏見を取り払い、自然のありのままを観察する。

 自然をありのままに観察するためには、人間が持つ4つの偏見(イドラ)を取り払う必要があるとベーコンは主張していますが、この偏見を取り払うのが人間には難しいのです。

人間の持つ4つの偏見(イドラ)を見てみましょう。

A、人間の本能による偏見

B、個人の経歴による偏見

C、権威を盲信することによる偏見

D、言葉の解釈による偏見

それぞれ具体例を上げながら見ていきましょう。

 

A、人間の本能による偏見・・これは人間の感覚だけを頼りに物事を判断すると間違えた解釈をしてしまうことで、人間であれば誰しも陥りがちな錯覚です。

この典型例は、天動説ですね。地球に住む私達から見ると、太陽が動いているように感じてしまいます。無論、地球が動いているから、太陽が動いているように見えるだけなのですが、中世ヨーロッパまではそれが常識であり、地球が動いているなんて非常識だったわけです。

極論するとコペルニクスが登場するまで誰ひとり地球が動いていることに気付かなかったのですから、人間の感覚がいかに充てにならないのかが分かります。

 

B、個人の経歴による偏見・・これは全ての人間に当てはまるものではなく、その人が受けてきた教育や、生まれ育った環境、人間関係によって形成された偏見です。

「あの人は、B型だから自己中だ。」

もちろんそんな事実はどこにもありません。実際に血液型性格診断は科学的根拠がなく、ハッキリと否定されているため、大きな誤解です。しかし、「B型には自己中が多い」と親や先生から教えられたり、過去に出会ったB型の人が実際に自己中であったために世の中全てのB型の人達をそのように判断してしまうのです。

 

C、権威を盲信することによる偏見・・「学校の先生の言う事だから正しい」、「テレビで言ってたから正しい」、「医者の言う事だから正しい」といったように人間は権威ある者の言う事を疑問に思わず、無条件に信じ込んでしまう傾向があるということです。

中世ヨーロッパでいうと、教会がこれに当たります。教会には教皇という権威が存在し、「教皇のおっしゃることだから正しいに違いない」と人々は何も疑うことなく信じ込んでしまったのです。キリスト教会が人々に徹底的に教え込んだ哲学をスコラ哲学と言います。

 

D、言葉の解釈による偏見・・これは先述の「頑張らない生き方」の通りです。人間は「言葉」を偏見によって過大評価したり、過小評価したりするのです。

これらの偏見を取り払えば、今まで見えなかったものが見えるようになるとベーコンは言います。

 

2、実験や観察を行い、データを集める。

 次にそれらの偏見を取り払ったうえで、実験や観察をし、たくさんのデータを集めます。

 

3、得られたデータを帰納法によって考察し、規則性や法則性を導き出す。

 最後に、帰納法によってデータを考察し、自然の法則性や規則性を導きだします。帰納法とは、ベーコンが生み出した研究法ですが、個別的な実験結果を集め、比較対象し、法則性を導きだそうとすることです。

わかりにくいので、具体例を出します。

例えば・・・・ 

三角形Aの内角の和は180度でした。

三角形Bの内角の和は180度でした。

三角形Cの内角の和は180度でした。

三角形Dの内角の和は180度でした。

したがって、全ての三角形の内角の和は180度である。

このように個々の実験データを集め、そこから法則性を導き出す手法です。

 

他にも具体例を上げてみます。

人は100メートルを最速何秒走れるのか。

A選手は11.0秒でした。

B選手は11.5秒でした。

C選手は10.9秒でした。

D選手は10.7秒でした。

これらのデータから「人間は100メートル走を10秒切ることが出来ない。」という結論になりました。

 

人は空を飛ぶことが出来るのか。

科学者Aは空を飛ぶ実験をしたが、失敗した。

科学者Bは空を飛ぶ実験をしたが、失敗した。

科学者Cは空を飛ぶ実験をしたが、失敗した。

科学者Dも空を飛ぶ実験をしたが、失敗した。

これらのデータから「人間は空を飛ぶことが出来ない」という結論になります。

 

 アフィリエイトは月いくら稼げるのか。

Aさんは月4000円稼いだ。

Bさんは月4500円稼いだ。

Cさんは月4800円稼いだ。

Dさんは月4900円稼いだ。

これらのデータから「アフィリエイトは月5000円を稼ぐことが出来ない」という結論になりました。

 

 ところが、お察しの通り、この帰納法は万能ではありません。

 帰納法とは、あくまで実験データをもとに法則性を導き出しているので、その法則性を覆すデータが1つでも出てくれば、その法則は使えなくなってしまいます。

100メートル走で9秒台を出した選手がいます。

現在、人間は飛行機で当たり前のように空を飛んでいます。

アフィリエイトで月5000円以上稼いでいる人は確実にいます。

 これらのデータが出てきたことで、その法則性は古い常識になってしまうのです。

 ベーコンが重視した現実の実験や観察によってしか、正しい認識が得られないとする姿勢を経験論と言います。

 以上

最後まで読んで頂き、ありがとうございます。

本宮貴大でした。それでは。

 

 参考文献

図解雑学 哲学   貫成人=著  ナツメ社

考える力が身につく 哲学入門 畠山創   中経出版