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歴史は周期の法則で動いている。

 こんにちは。本宮 貴大(もとみや たかひろ)です。

この度は、記事を閲覧してくださって本当にありがとうございます。

今回のテーマは「歴史は周期の法則で動いている。」というお話です。

是非、最後までお読みくださいますようよろしくお願いします。

 

歴史は覚えることが多くて、つまらないという人も多いでしょう。そこで今回は「人は周期の法則で動かされている 飛岡健 著 河出書房新社」を参考文献に面白い仮説をご紹介します。歴史が面白いと思えるきっかけになれば幸いです。

 

 実は日本史の各時代の特徴やイメージ、文化に着目すると驚くべき規則性が浮かび上がってきます。

 

 各時代は男時(おどき)と女時(めどき)に区別出来、さらに時代は男時と女時を周期的に繰り返しているようです。この規則性から各時代の文化の特徴を掴み、歴史の理解を深めて頂きたいと思います。

 

 本題の前にまず男時と女時のイメージをつかんで欲しいと思います。(下表)

女時のイメージ 男時のイメージ
異文化を日本風へ昇華 異文化を取り入れる
華やか 質実剛健
安定の時代 変化の時代
統一 混乱
技術の成熟 技術革新
内部に閉ざしている 外部に開いている
平和、安全 戦い、リスク

 

 男時とは、海外から積極的に新しい様式やスタイル、技術革新、異文化を取り入れ、これまでの常識や文化を変える変化の時代です。

 一方、女時とは、取り入れたものを成熟させ、どこか華やかで日本的な文化へと大きく開花させ、技術や文化が成熟し、平和と安定が続く時代です。

 

 最初に奈良時代ですが、これは男時になります。中国大陸から様々な文化を取り入れ正倉院や大仏が奈良に建立されました。この時代が男時としてあげられるのは、漢字という文字を取り入れたことがあるからでしょう。。これにより、歴史上の出来事をより正確に後世に伝えることが出来るようになりました。

 

 次に平安時代ですが、これは女時になります。海外から取り入れた漢字という文字を日本風に昇華させたのです。それが「平仮名」や「カタカナ」です。中でも紫式部の「源氏物語」や清少納言の「枕草子」という2大傑作が誕生し、それらは、いずれも女性の手で書かれているという点も大変興味深いと思います。

 

 時代は変わって、武士の時代に突入します。鎌倉時代には再び海外からの文化が取り入れられました。男時が再来したのです。建築の世界では書院造りが成立、仏僧の来日による禅宗の発達、新しい農業形態が生まれるなど。実にダイナミズムな時代となりました。

 室町時代になると、鎌倉時代に取り入れた文化を日本風に昇華させていく動きが生じました。女時の再来です。その代表例として足利氏が建立した金閣寺銀閣寺が日本美としてあげられるでしょう。非常に華やかなイメージのある時代だと思います。

 

 下剋上の風潮が激しくなってきた戦国の世、安土桃山時代には文化は再び男時の時代を迎えます。進取に富んだ織田信長は、従来の常識を打ち破り、新しい価値観をどんどん取り入れました。また彼はヨーロッパの文化を積極的に取り入れ、自分のコレクションとしていました。さらに商業形態も変化が生じます。それまで閉鎖的だった商業形態が崩れ、自由で開放的な「楽市・楽座」が成立しました。「戦国の世」とも呼ばれるくらい戦いが多かったこの時代は男時の特徴ともいえるでしょう。

 

 ところが時代が変わり、徳川幕府が支配した江戸時代になると再び女時が訪れます。それを象徴する政策が「鎖国」でしょう。キリスト教伝来を嫌い、外国からの文化の流入を制限し、国内で独自の文化を成熟させたのは、典型的な女時の特徴ではないでしょうか。

 

 260年もの間、海外からの文化を制限していため、明治時代には反動的な男時となり、文化の取り入れが早急に行われました。文明開化の掛け声とともにドイツやイギリスの技術や文化を取り入れ、ヨーロッパを模倣し、西洋化を図りました。

 

 急速な西洋化となった日本の文化を和風にしようと試みた女時の時代が大正時代です。天皇の急逝により時代そのものは短かったものの、この時代は高踏派文学の誕生や美人画竹久夢二の活躍など、和風の色合いが好まれたこの時代は女時の特徴ではないでしょうか。大正浪漫という言葉はまさに女時を表現したシンボリックな言葉だと思いませんか。

 

 そして、昭和16年の真珠湾攻撃を機に、日本は国家を上げて戦争に突入していきます。日本が中国、東南アジアなどに領土を拡大していくところ、また終戦直後の混乱期男時を象徴する出来事だと思います。

 戦争に敗れ、全ての面において復興を目指した昭和という時代は、もうひとつの男時を迎えます。それを象徴するキーワードが「アメリカン・ウェイ・オブ・ライフ」でしょう。終戦まで敵国だったアメリカが一転してカッコイイ存在となり、人々は衣食住全てにおいてアメリカの文化を輸入することに躍起になりました。

 当時の若者はジーンズを履き、コカ・コーラを飲み、アメリカンポッブスで踊り明かしたようです。日本企業もアメリカのシンボリックな製品である自動車や大型冷蔵庫の自社製造に躍起になりました。まさに「大きいことはいいことだ」、「アメリカに追いつけ、追い越せ」の時代となりました。

 

 そして現在の平成女時の時代となります。私は平成生まれですが、言われてみれば平成女時であると感じます。まず邦画が洋画を上回る興業収入になり、日本映画が注目を浴びた点です。特にアニメに関しては日本のアニメが盛んな時代となり、秋葉系やオタクといった風貌も誕生しました。

 また、世界同時不況後、製造業が軒並み経営悪化し、撤退、廃業、海外移転が相次いで起こりました。特に地方の疲弊は著しく、商店街はシャッター通りと化し、人口は都心部へと流入してしまいました。基幹産業に頼ることが出来なくなった地方は各地で「街起こし」を開始し、御当地グルメや「ゆるキャラ」といった地方独自の文化が人気を集めました。当時大学生だった私は、このようなテーマについてレポートを書いたことがあるので、日本経済が疲弊している様を直に感じることが出来ました。

 

 最近のニュースで、平成が30年で終わることが発表されましたが、平成の次はどのような時代になるのでしょうか。順番的には、男時になりますか。

 平成という時代は、GDPがほとんど成長せず、技術が成熟し、経済も停滞してしまいました。今の日本には男時のような「変化」が必要なのかも知れませんね。

 このように歴史を周期の法則で読み解いていくのは非常に分かりやすく面白く感じますよね。理想的な勉強はやはり楽しく学ぶことですよね。

以上。

今回も最後まで読んで頂き、ありがとうございます。

本宮 貴大でした。それでは。